こんにちは。こーだです。
先日読み終わりました「益田裕介著:精神科医の本音」についての感想でも書こうかなと思います。
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まず、率直にこれを読んでよかったです。一例ではありますが精神科医のやっていることや、考えていることが見えてきてとても参考になりました。
私は通院して2年近く経ちますが、初診以外は基本5分診療を受けています。
通院をしている患者さんの中には、診察を受けているだけでは「本当にわかってくれているの?」「なんだかもやっとするなあ」なんて感じている人も少なくないのではないでしょか。
まあ自分の場合は、「自分なんかよりも頭のいい人がたくさんの症例を見てきて、最善と思われるものを選んでくれているのだから信じるしかない」と思っていました。でも、これを読んでそれが正しいんだという思いと、それと同時に医者にも限界はあるんだというのもわかりました。
例えば患者に演技をされたら見抜けないということ。当たり前と言えば当たり前ですが、ギャンブルやアルコールに依存していても隠すことはできますし、元気なふりをしていればそれを見抜くのは難しいということ。
他にも「医者の発達障害の臨床知識が追いついていない」ということや「うつ病とうつ状態の境界線が曖昧」ということも述べられています。また、曖昧さで言えば「医者によって患者にどこまで伝えるかが違うことによって診断名が変わる」という記述もありました。
要するに医者に過剰に期待、あるいは不信感を払拭するのに役立ちます。
では患者は何をすればいいのかと言えば、結局は休むことが大切だと言います。しっかり寝て、のんびり過ごして、しっかりと食べて、ストレス要因から距離をとる。そして、レジリエンス(回復力、楽観性、しなやかさのような非認知能力の意味)を育てることが治療には大切だと述べています。
その他にも、また精神科医のお金の事情、心療内科と精神科の違い、民間療法についてなども包み隠さず書いてくれています。自分の病気について知りたい、あるいは精神疾患について知りたい人はもちろん、興味ない人でも知的欲求が満たされる1冊かと思います。
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ここからは、本書での記述について特別に感じたところをを少し……。
まず「ネットのレビューはあてにならない」という記述がありました。これについて半分納得で、半分が同意しがたいと思いました。
というのも、今通っている病院のレビューに★1がいくつもあるからです。自分の主観で言えば、その病院の先生やスタッフさんはとても良くしてくれて★5にふさわしい病院だと思っています。
内容に関しても言い方は悪いですが「癖」が強い文章の方が散見されました。そういう意味で病気の症状の度合やその方の思い込みや性格、病院に何を期待して行ったのかによって評価が変わってくると思うので、納得できる部分だと感じました。
半面、うつ病発症当時に行ったクリニックにの評価が、現在の病院よりも★が1近く低くはある部分には少なからず参考の価値があるのではないかと感じました。
辛くて辛くて、電車で勝手に涙が流れて、さすがに変だと感じてその病院に行ったときに、「朝ドアの前から動けなくなって会社に行けない」ということを相談したら苦笑いで「それは上司に相談したらいいんじゃないですかねえ」と言われたことは、いまだに忘れることができません。
この返答で「自分はやっぱり病院に来るほどの状態じゃないんだ」と感じ、長らくうつ病を放置することに繋がりました。
またその病院は「猟銃の診断書をもらう」「薬だけ欲しい人が行く」というような内容で★5が多く付けられていました。
そういう事もあったので、患者はレビューの文章をよく読んであてにしてもいいのではなかと感じたので、「ネットのレビューはあてにならない」半分同意しがたいと思いました。
そしてもう一つ。「患者であることにアイデンティティを見出す患者がいる」という記述には絶望に似た感情を覚えました。
私は執筆時点で、通院をはじめてもうすぐ2年が経ちます。半分近くの人は半年かからずに治ると言われるうつ病で、果たして自分は「病気であることにアイデンティティを見出していないのか」ということに確信が持てません。
はやく色々なことができるようになりたいと思っているのと同時に、ある程度元気になったら社会復帰しなくてはいけないことに対する不安も感じています。
「本当にこの先やっていけるのか」「自分の無能さに直面してしまうのではないか」という恐怖もあります。この恐怖が自分に「うつ病に逃げている」のではないかとさらに不安を与えてきます。
もしかしたら、社会復帰を恐怖に感じ、「治したいけど、治したくない」という感情をいだいているのではないか? と自分に少し絶望的なものを感じました。第一、こんなブログを作っている次点である程度アイデンティティを見出してるってことなんじゃないでしょうか?
……これを書いていて、また凹んでいます。
ここら辺は次回の診療時に主治医に聞いてみようかなと思っています。
困らせるだけかな?
という感じで、学びが多くある本でしたが、ちょっと心にダメージを負う部分もありました。ただ、総合的には「読んでよかった」と思っています。病気に真剣に向き合おうという方は、一度読んで見てもいいかもしれません。
以上となります。
それではまた!
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