うつ病患者の読書記録 PR

【読書】うつ病患者が読むうつ病関連の本「丸岡いずみ著:仕事休んでうつ地獄に行ってきた」の感想

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こんにちは。こーだです。

今回は先日読んだ「仕事休んでうつ地獄に行ってきた」について感想を書いていきます。

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丸岡いずみさんと言えば、30歳以上なら知らない人は少ないであろう”人気キャスターである日、突然画面から消えた人”なんじゃないかと思います。

かくいう自分も「魅力的な人だな~」と思いながら、テレビに移っている丸岡さんを見ていたのを覚えています。

そんな彼女がある日突然テレビから消えた理由は「うつ病」。
この本はその経験を書いたエッセイです。

内容としては半分くらいが丸岡さんの半生。残りの半分がうつ病になってからのこと。という感じでした。

丸岡さんに興味がある人や、キャスターに興味がある人はとても興味深く読めるかと思います。

「仕事休んでうつ地獄に行ってきた」のおおまかな内容

丸岡さんは自分のいだいていたイメージをはるかに超えた”バリキャリ”で、全力で仕事に打ち込んでいた方だというのが伝わってきます。

並々ならぬ努力家。というイメージを持ちました。
それでいながら楽天家でもあり「なんとかなる」と考えるタイプだったとも本書で振り返っています。

そんな彼女でしたが東日本大震災の頃を境に不調が現れ始めて、ある日、心がポキンと折れてしまいました。

3.11の時は取材に言っていたクルーが非難されるような行動をしていた、という情報がネットで流れていたりしました。

しかし本書を読んで、彼らも事実を伝えまいととてつもないストレスの中で仕事をしていたんだなあというのが伝わってきました。

しばらくして、ついに限界を迎えた丸岡さんは衝動的に地元へと戻りそこで療養生活を送ることに

しかし、薬に対して恐怖心があり、飲まずに治そうとしたことで治療に失敗。
ついに、限界の限界が来て入院することになり、そこでついに薬を飲むこととなりました。

それが転機となり一気に快調方向に進み、1か月近くで地獄から抜け出すことに成功
見違えるほど元気になり、今では「〇〇」をしなくてはいけないという考え方を捨てて、あまり忙しくない日々を心がけてる……

という内容でした。

「仕事休んでうつ地獄に行ってきた」の共感した記述

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個人的に共感できた部分と私の体験、考えなんかを書こうかと思います。

P20「ひとりぼっちでいたら、そのうち死んでしまうかもしれない」

私はうつのさなかにそうは考えていませんでしたが、ある程度地獄から抜け出した頃にふと「自分は一人暮らしだったら多分、栄養失調で死んでたな」と思ったりしました。

発症当時は実家にいたので、親がご飯を作ってくれていました。
しかし「俺のような人間がごはんを食べるなんて……」という思いが強く、ほとんどご飯を食べることができず、口からはほぼ水しか摂取していませんでした。

それでも毎日ごはんが用意されていたので、数口は食べていました。
病院への連絡も親がしてくれたのですが、病院に連絡してから初診までの2週間で8キロほどやせていました。
それでも食べたい欲求は皆無でした。

なので、もし実家じゃなかったら医者に連絡もしなかったでしょうし、ごはんも食べず水しか飲まず、栄養失調で死んでいたんじゃないかと思います。

P99「それまで、どんな死にたくなっても、心配をかけると分かっていたから、両親や友達に話せませんでした」

「死にたい」だなんて、身近な人にはなかなか言えないですね。丸岡さんの言葉そのまま、心配をかけてしまうことが分かっているから。

リアルの繋がりのないtwitter(現X)でさえも、言うのははばかられます。

ただ自分の場合は、正確には「消えたい」です。
存在の痕跡を一切残すことなく消えてしまいたいと思っていました。というか、今でもたまに思います。

でもそれは不可能ですし、じゃあ死ぬかと言われたらそれこそ「死にたい」と言う以上に迷惑をかけるので、そんなことはしません。きっと。

P112「私は一生うつ病で苦しんで、二度と社会復帰はできない」

これは良く思っていましたし、なんなら今も社会復帰できるのか不安で仕方ないですね。
治るのか(寛解するのか)にも不安があるのに、社会復帰までといったら途方もなく遠く感じてしまいます。

社会に戻っても役立たずなんじゃないか……。
無能のレッテルを貼られるんじゃないか……。

なんて、怖かったりします。だからこそ自分で稼ぐ方法を模索してるんですが……なかなか上手くはいかないものですね。

P117「ひとつの場所にじっとしていられないのも、きつかったですね。ソワソワして、あっちに行ったり、こっちに行ったり」

これもめちゃくちゃ共感でした。

言いようもない不安、焦燥感から、なんか部屋の中をうろうろしてました。
ある程度元気になってきたら、今度は掃除や模様替えを始めたりもしていました。

一か所にとどまっていることが苦痛でした。

と言いますか、今も苦痛です。

P128「薬ってすごい!」

これも共感しました。

特に元気になるタイプのお薬は食べ過ぎるようになって、一気に体重が戻りました。
戻りすぎて普通にうつ病前を超えていきました。

そして効きすぎと薬がチェンジされました。

かゆみ止めを飲んだ時にすっとかゆみが消えて、これと同じ感じで抗うつ薬も脳に作用してるのかな、と思うとより薬ってすごいなって思いました。

それにしても丸岡さんは入院するまで認知行動療法で、それも自分ひとりだけで治そうとしていたという、努力家気質なところはすごいなと思いました。

良いこととは私は思いませんし、本書で丸岡さんも間違っていたと書かれていましたが。

P125「うつ病になって帰ってきた娘は、重荷でしかないはずだ」

実家で療養している人の場合、特に両親の理解があればあるほどこう感じるのではないでしょうか。

自分の場合は「自分さえいなければもっと両親は幸せに暮らしていたんじゃないか」と、気分が落ちたときは考えがちです。

これに関しては納得のいく答えは出せていませんが、とりあえず同じような悩みを抱え、考え、苦しんでいる人がいる。一人じゃない。と思って、耐えてくれたらと思います。

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まとめ

という感じで、学びがある本というよりも共感がメインで、丸岡さん、またはキャスターという生業に関する知的欲求が満たされる本でした。

丸岡さんが闘病中にどのような気持ちだったのか、今どのようなことに気を付けて生きているのかなど、より深く知りたい人は読む価値のある本かと思います。

以上となります。

それではまた!

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