うつ病患者には言ってはいけない言葉があると言われています。
でも、人によっては「なんでそれが駄目なの?」と思うような言葉もあるのではないでしょうか。
そこで今回はどんな言葉が良くなくて、なんで良くないかを、うつ病患者当事者の目線で心境を解説したいと思います。
正直、「人それぞれ」ですし「図に乗るな!」と言われそうな事も(怖いですが)正直に書いていきますので、最後までお付き合いいただけましたら幸いです。
言ってはいけない励ましの言葉5選
まずは、多くの人が良かれと思ってかける言葉を解説していきます。
悪意がない分、ノーガードで心に突き刺さる場合があるなかなか恐ろしい言葉です。
「頑張って」
頑張りたくても頑張れない状態で「頑張れ」と言われると、頑張れない自分にがっかりし、同時に「頑張ってない」と批判されているようにも感じます。
ただでさえ治療では「休養」をとるように言われているけど、本当の意味で心が休めていない人も少なくありません。そういう人に「頑張れ」という言葉は休養の妨げにもなるかと思います。
「君らしくないね」
過去の自分が正しい(良い)自分で、うつ病になった自分は間違った(悪い)自分だと言われているように感じます。
こんな自分ではいけないと自責の念にかられて、より自分を追い込んでしまうかもしれません。
「元気出して」
元気の出し方を忘れているし、そもそも元気が枯渇している状態で、元気を出そうとしても空焚きのようでとてもつらく感じます。
場合によっては「そんな簡単に言わないでほしい」と相手に思い、そう思った自分を自己嫌悪します。
「君なら大丈夫」
自分自身で大丈夫じゃなかったことを体験しています。
それなのに「大丈夫」と言われると、もし大丈夫じゃなかった自分は受け入れてもらえないんじゃないかという疎外感と恐怖を感じます。
「きっとすぐに治るよ」
先行きの全く見えない不安の中、ふわっとしたその言葉をかけられると「無責任なことを言わないでほしい」と思い、同時に相手には悪気はないのに責めるようなことを考えた自分に落ち込みます。
言ってはいけない咎めるような言葉6選
次はうつ病患者を咎めるような言葉を紹介していきます。
咎める意図がなくても、とがめられているように感じるものも含みます。
「メンタルが弱いんだよ」
自分はメンタルが弱いんだ、と思っているところに追い打ちをかける言葉です。
批判されていると強く感じ、落ち込んでしまいます。
また、メンタルが弱い=人として劣っている=自分は駄目な人間なんだ、と自己嫌悪に陥ります。
「気の持ちようだよ」
全くメンタルがコントロールできない状態で、どうやって気を確かに持てばいいのかと呆然とします。
人によってはそんな無責任な事を言わないでほしいと思い、相手を責めたことに落ち込んでしまいます。
「怠けてるだけなんじゃない?」
本人が一番「自分は病気ではなくて怠けているだけなんじゃないか?」と悩んでいます。
他人からそういわれることで「やっぱり自分は怠けているんだ」と強く感じ、より自責の念にかられるようになります。
「みんな頑張ってるんだから」
みんな頑張っているのに自分だけ頑張っていないと責められたように感じ、疎外感を強く感じます。
また、自分も早く頑張らないといけないとも感じ、無理をしてうつが悪化してしまうことに繋がりかねません。
「やればできる」
やろうとしてできなくて、自信がなくなっている状態です。
その状態で「やればできる」と言われると、「やれ」と言われているように感じ、同時にこれ以上何もできない自分を見たくないと、恐怖にもにた感情を覚えます。
「君よりもっと辛い人もいる」
自分より不幸な人がいるんだから辛いなんて言ってはいけないんだ、もっと頑張らなくちゃいけないんだと自分を追い込んでしまいます。
言ってはいけない急かすような言葉4選
最後はうつ病患者を急かすような言葉について書いていきます。
深い意味はなく聞く人もいるかもしれませんが、かなり深く突き刺さる言葉が多くなります。
「本当に治るの?」
本当に治るのかは最も自分が恐れていることで、不安に思っている事の筆頭です。
いたずらに不安を感じさせる言葉なので、ふと疑問に思っても口にしてほしくない言葉です。
「いつまでこうしてるの?」
自分もいつまでこうしていなくちゃいけないんだと思い悩んでいます。
将来が見通せない状況でこれを言われると、漠然とした未来への恐怖に落ち込みます。
「早く良くなってね」
誰よりも自分が早く良くなりたいと思っています。
どんなに早く治したいと思っていてもどうにもならないもどかさがあります。
ありがたいと思いながらも、落ち込む言葉にもなりえます。
「元気そうだね」
時と場合によりますが、元気なのだから早く復帰しないといけない、もう自分は復帰できるんじゃないかと焦ってしまいます。
元気なふりをしている時に言われると、虚しさや急かされているようにも感じます。
うつ病患者にはどんな言葉をかけたらいい?
逆にうつ病患者に対してどんな言葉を書けたらいいかというと、共感してあげる言葉や焦らないようにさせる言葉、回復の希望を持たせる言葉、協力的な言葉などがあります。
例えば
「苦しかったね」
「辛かったのによく我慢したね」
「急がなくていいからゆっくり休もう。病気がなおればきっとできるようになるよ」
「どんな時も君の味方だから、何かしてほしいことがあったら遠慮しないで言ってね」
などです。
気持ちを落ち着かせて、不安を和らげて上げられるような言葉をかけてもらえると助かります。
まとめ
以上がうつ病患者が選ぶ「言われるとしんどい言葉16選」です。
同じような意味合いの言葉でも、うつ病になっていると捉え方が180度変わる場合もあります。
健常な頃にできていたような前向きな受け取り方ができないという人の方が多いです。
そのため、うつ病の人と話す場合はNGには気を付けていただけると助かります。
こちらの記事がうつ病闘病者との関係構築の一助になれば幸いです。
それではまた!